重症の変形性膝関節症に挑戦

ひざ痛ー重症の変形性膝関節症に挑戦
 私の先生が重症の膝関節症の治療を治すのを目の当たりに見て体験したので、早速私も挑戦してみたいと思った。腕はまだ未熟で駆け出しだったが意気込みだけは大いにあった。患者さんは私の母方の祖父で八十半ばを超えていたと思う。若いころから農作業や山仕事で膝を酷使して長い間患っていた。整形外科病院に通院したり、入退院を繰り返し相当にこじらせていた。両ひざの可動域(動かせるせる範囲)は狭く、曲がったままで完全に伸びない状態だった。正座はもちろんできず、座るときは畳の上に足を投げ出した状態でしか座れなかった。
 まず、お皿の骨(膝蓋骨)周辺を押圧してみた。皿骨は全く動かない。完全に固まった状態だ。先生の教えは「皿骨の動きを良くすることが秘訣」であった。私は、動きを良くするためには皿骨周辺の硬化した靭帯の柔軟性を取り戻すことだと考えた。そためにこの部の循環を良くすることを目標に集中的に押圧治療をやった。片側30分以上、両方で1時間以上、ひざ裏と大腿下腿部の治療と合わせて1時間半くらい根気良く施術した。祖父は痛みが軽くなり少しいいと言ってくれたので、気を良くして毎日治療を続けてみることにした。お休み期間1週間くらい毎日続けた。結果は、皿骨の動きが少し出てきた状態で、膝関節の可動域がやや広がった。喜んでくれたのは祖父だった。部屋の中でも杖を使わないと歩けない状態であったのが、杖無しで歩行できるようになったのだから。しかも、膝の痛みが楽になったのだった。血液循環療法を習ったおかげで、少しは「おじいちゃん孝行」ができた。この体験から、相当にこじらせて固まった変形性膝関節症でも根気よく治療すれば効果があることが解った。

皿骨周辺の押圧治療
皿骨周辺の押圧治療(イメージ)